窒息寸前、1秒



「さて、次いきますよ!」



結局先輩は、あんな調子で全部景品を小さい子にあげた。



荷物もなくなったし、お腹もすいてきた。



「何のお店?」



「ふふっ。着いてからのお楽しみですよ。」



いつも、先輩が素敵なお店に連れていってくれていたので、今日は私のとっておきのお店に連れて行こう。



「えー。教えてよ。」



「無理ですー。」



「ケチだな。花那ちゃん。」



ちぇっと言いながら、いじけたような顔をする先輩。



でも、ちょっと楽しそう。




「初ゲーセンはどうでした?」




「楽しかったよ。すごく。花那ちゃんに怒られたけど。」



「もう。」



そんなこと言いながらも、とても楽しそうに先輩が笑う。



それを見てなんだか、私も嬉しくなって一緒に笑った。











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