窒息寸前、1秒
「かーなー?今日なんか変だよ?ずっとボーッとしてる。」
私の目の前に手をかざしてくる夏海。
回りを見るとザワザワしていて、今は休み時間のようだ。
昨日の由梨子さんとのことをどうしても考えてしまって、授業が頭に入ってこない。
「ごめん。夏海。」
「何かあった?」
心配そうに聞いてくる夏海に、私はふるふると顔を横に振った。
「何でもないよ。ちょっと寝不足みたい。」
「そっか。何かあったら言ってね?」
安心したように笑う夏海に罪悪感を覚える。
だけど。
「うん。ありがとう。」
嘘ついてごめんね。
私もまだよくわからなくて。
夏海はたぶん私の嘘に気づいている。
だけど、無理に聞かなかったのは夏海の優しさなんだ。
今度、ちゃんと話すから、ごめんね。