顔が分からない貴方へ
?〈サイド〉
「すみません人違いでした」
そういって頭を下げた女の子。
真っ黒すぎな髪に華奢な体。
見たことねぇ~な。
この学校の女子は大抵思えてるはずだ。
でも見たことがない。
頭を上げた彼女の顔をガン見する。
「あの?」
ふ~ん。
美人だな。
零れそうなくらい大きな瞳。
真っ白で綺麗な肌。
桃色の唇。
やっぱり、見たことねぇ~な。
「お前、名前は?」
でもこの階に来たってことは、
そ~ゆ~ことだろ。
「紺野彩葉です」
「ふ~ん。だれ探してるの~?」
「え?」
この階は俺たちのものだ。
でもたまに
抱いてほしいってくる女の子がいる。
誰を指名するんだろな~。
「だれも探してないですよ?」
「あ?」
「ただ来ただけです」
ただ来ただけです、か。
てことは誰でもいいのか?
そう解釈して女の手を引っ張る。
ベットルームに入って鍵をかける。
「どうしたんですか?」
女は俺に投げられてベットの上にいた。
睨んでるけど誘ってるようにも見える。
「初めてか?」
「ここに来たのが、ですか?」
「いや、こ~ゆ~こと」
女の腕を片手で頭の上に固定する。
もう片手で女のシャツのボタンを外していく。
「いや、離して!」
「抵抗してもムダ」
「あなた刑務所に入れられたいの!?」
「入りたくね~な」
「だったら、」
「でもここの階に来たってことはそ~ゆ~ことだろ?」
「どうゆうことよ!そんなこと知らないし!」
「は?」
思わず手をとめる。
女の顔を見ると涙で濡れていた。
「今日転入したばかりなのよ!
この階だけパンフに乗ってないから
興味本意できただけよ!
なんで知らない人にこんなことされる訳!?」
知らない人?
「お前俺のこと知らねぇの?」
「知らないわよ!」