顔が分からない貴方へ

「う〜ん」

目的のみんなは今日は、
学校をサボるようだし。

「タカ、どうしよ〜」

「俺に聞くな。名前でも知ってればあいつがなんとか探すだろ」

あいつは情報通でパソコン得意だしな。

この学校の生徒の情報、
全部知ってるし。

「お前、名前は?」

「トイレの花子さん」

「ふざけるな。帰さないぞ」


あーあーあーあー。

タカがお腹しめるから苦しそうじゃん。

しかも涙目だし。

「いうから離して」

声も震えてるし。


「んで。名前は〜?」

「すずきひろ」

うわ〜。

絶対に嘘だ〜。

目とかめっちゃ泳いでるもん。


でもタカには見えなかったのか
彼女を解放してしまってた。

一瞬にして逃げ去った彼女を
捕まえる事は出来なくて。

逃してしまった。



あ、そーいえば。

最初に名前聞いてたな。

確か、紺野彩葉だったっけ?


まぁ転入生だからすぐにわかるか。

そう思ってタカと二人で倉庫に戻った。



ミサキ〈サイド〉終わり
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