顔が分からない貴方へ
まあ、顔は美人寄りだ。
悪くはないってか可愛い。
声も綺麗で、
制服から伸びてる腕や足は細い。
体も華奢だ。
「おはよ」
思わず挨拶をしたのは久々に仲間以外の人に挨拶されたから。
あと彼女が俺の好みでもあったから。
「てかお前誰?」
ベットから少し離れた所で体を伸ばしてる彼女は俺が聞くと少し微笑んだ。
「秘密」
指を桜色のふっくらした唇に当てる仕草に胸が高鳴って固まってる間に彼女は出ていってしまった。
出ていってしまった後に俺の体に誰かのカーディガンが掛けてあることに気づいた。
真っ黒いカーディガンは彼女の暗闇のように黒い髪を思い出させた。
「彼女、欲しいかも」
今まで女に興味も持たなかった俺が初めて会った女に恋心を抱いた瞬間だった。