顔が分からない貴方へ

保健室から自分の教室に向かう。


オアシスである保健室には可愛い王子が眠っていた。


年下かな。
眠りの美女ならぬ眠りの美しき王子。


白い肌にふんわりしている髪。

クリームみたいな色だった。

熱があるのか、
とろんとしてた大きな瞳。

朱色に染まっていた頬は彼を幼く感じされる。


また会いたいからカーディガンを置いてきた。

まあ、
本当は単に忘れてきただけだけどね!

本当、昨日洗濯しておいて良かった。

お気に入りの柔軟剤が香る、
お気に入りのカーディガン。


ポケットにはなにも入ってないから
もし棄てられても大丈夫だし。




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