顔が分からない貴方へ


「てか、姫って?」

私がみんはに聞くと、

男子は少し女子を睨んだりして気まずそうで

女子は怒りが燃えていた。


「この間転入してきた子の事よ!」

「最低なのよ!あのルール破り!」

「ぶりっ子なのに!」

「きっと調子に乗ってるのよ!」


、、、そ、そうですか。


私の机に集まって熱説する女子。


一方、男子は、

「まあ、可愛いけどな」

「なんか言葉が、な。グサッみたいな」

「総長とお似合いだよな」

「キレイなヒト、みたいな?」


なんともまあ、微妙な意見ばかりで。


つまり、

私の隣の席の暴走族のお姫様

転入したばかりでルール破り

可愛いがズバズバいう人

ってことかな?


たぶん、ルール破りってのは、

暗黙のルールのことだと思う。


きっと女子の中では
暴走族の彼らとある程度の距離をとる、
みたいなルールがあったのかもしれない。

それなのに彼女はそれを無視。

ズバズバ言う人だから、
ここの女子とは合わなかったんだろうな。


「へぇ、大変だったんだね」


彼女はただの、バカだと思う。

それか世間知らずのお嬢様とか。


自分の性格がどうであれ、
相手に合わせないといけない時もきっと
大人になったらたくさんあるのに。

小さな社会である″学校”で嫌われたら、
生きていけないでしょ。

まっすぐにホームレスとかだよ。


「そう、めっちゃ悲しいの」

「横から飛び出してきた子なのに」

「ずるいわ!」

「最低なのよ!」


よく自分を変えるのが嫌だっていう人いるけど

それは変えるのではなく、

大人になっていくってこと。


言いたいこと全部いうのは幼稚園まで。

少しは自分を抑えること、我慢することを
学ばなきゃ。


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