意地っ張り
意地っ張り


私って好きな相手には
素直に感情を表せない。





可愛らしく好き好き
アピールが出来たら
もっと上手くいくのかも
知れない。





しかしそれを知られるのが
すごく恥ずかしい。





それはきっと
自分に自信がないから。





こんな私から思いを
寄せられた人だって
きっと嫌だと思うし。





だからいつも軽口で接して
私はアナタを好きじゃありませんって
予防線を張る。





『麻季。これコピーしてまとめとけ』





「あのね松本。私もヒマじゃないの」





『お前は俺のアシスタントだろ?それぐらいやれ』





「はぁー!?もっと別な言い方があるでしょーが!」





『いつも悪いな。お前しか頼めねーんだよ』





松本はいつだってズルイ。





優しい言葉を
柔らかな顔して言われて
さらに頭に手を置かれたら





アンタに惚れてる私は
断れないじゃんか!!





渋々コピーをし始める私は
松本が好きで堪らないのだ。





だけどそう簡単に
素直にはなれない。





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