腹黒王子は誘惑中
Love1

†王子は興味ありません!!

「もう、いやぁ……」


あたしは小さくつぶやいて、水の入ったバケツをその場に降ろした。


バケツの中の水がゆらゆらと揺れる。


「なんで、あたしがこんなこと……」


さかのぼるは、数分前。





日直だったあたしは、放課後を告げるチャイムが鳴った後、先生に日誌を提出した、のだけれど……。


「波野、お前日直だよな?」


「? はい」


「よし、波野。俺の机の片付け、手伝ってくれ」


あたしの担任である本田先生は、女子が卒倒するくらいのカッコイイ笑顔で告げた。


「波野には水拭きを頼むな」


「…………」


「波野なら、やってくれるよなぁ?」


「は、はい……」




こうしてあたしは本田先生の圧力に負け、手伝うはめになったわけで。


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