腹黒王子は誘惑中
そして、くるりと振り向く。


「僕との約束の方が先でしょ?」


「そりゃそうだけど……」


「じゃあ、問題なし」


そう言ってまた歩きだす里中君。


え、ちょっと。


問題あるよ!


「大事な用事だったらどうするんですか?」


「平気。あれは大した用事じゃないよ」


「そう、なんですか?」


なんで里中君が知ってるんだろう?


知りたかったけど、何となく訊くのをやめた。




そうこうしているうちに、昨日の場所に到着。


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