腹黒王子は誘惑中

次の日の朝。


俺は大勢の女子達といつものやり取りを済ませた後、波野美華の席へ向かった。


波野は何やら雑誌を読んでいるようだ。


俺が近くにいるのに気付いていない。


「波野さん」


「…………」


よほど集中しているのか、波野の反応が全くない。


なので、さっきより大きい声で呼んでみる。


「波野さん」


「…………」


「波野さん?」


「…………」


完全に俺のことをムシしてやがる。


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