腹黒王子は誘惑中
「ねぇ、沙織。なんであたし達、理事長室に向かってるの……?」
里中君達と!!
「なんでってそりゃ、理事長に呼ばれたからよ」
それは分かってるんだけど……。
出来れば、里中君とは近づきたくなかったのに~!!
昨日あんなことがあった後だから、なんとなく気まずいし……。
「あっれ~?美華ちゃん、ものすご~く嫌そうな顔してるね~?」
澤村君はあたしの顔を覗き込んだ。
あれ、ちょっと近いですよ……?
それにちょっと楽しそう?