腹黒王子は誘惑中
「あたしには心に決めた人がいるんです! 白石晴樹(しらいし はるき)君という素敵な人が!」


あたしがそう口にしたとき、その場がしん、とした。


里中君は目をキョトンとさせていたし、澤村君にいたっては少々引き気味だ。



あれ、あたし変なこと言ったかな?



「そ、そう? じゃ、明日までに考えて来るよ」


「わかりました。じゃあ、あたしはこれで」



あたしは二人に一礼をして、バケツを持って先生のもとへ向かった。


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