イジワルな彼の甘い罠
新幹線の中、そんな気持ちを抱えていると、ヴー、と届いた一通のメール。
それは『帰り次第家』、とこれまた簡潔なもの。
帰り次第って……アバウトすぎる!それに少しくらいゆっくりさせろ!
そう思いながらも言われるがまま、東京に着いた足は自宅へ向かい、荷物を置いてその家へと向かう。
出張前も後も、こっちの都合なんて考えちゃいないんだから。
ムカつく、そう思うのに、歩く足は早くなる。
会いたい
早く、会いたい
触れたい、抱き締めたい。
そう思うのは昨夜の不安からのせいか、それとも、純粋な恋しさか。