イジワルな彼の甘い罠



「……いらないの?大阪限定関西風味付けの醤油ラーメン」




ぼそ、とつぶやき手にしていた袋からお土産のインスタントラーメンを取り出す私に、航はその手を止め体を離しそれを受け取ると、キッチンの戸棚にしまった。



今更だけど、本当にラーメン好きだなこの男……。

ていうか普段いくら私が言ってもやめないくせに、ラーメンひとつでやめるって!私、ラーメン以下!?



『待って』とは言ったものの、ラーメンひとつにこんなにあっさりと引き下がられたことになんだか悔しい気持ちになりながら、私は壁から離れとりあえず航と部屋へ入る。



この部屋も、一週間空いただけで久しぶりに感じる。



……この汚さに安心するなんて、重症だな。

はは、と苦笑いをこぼして、ベッドの下に腰をおろした。




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