イジワルな彼の甘い罠
「どういう、こと……?」
驚き、感情を顔に出せずにいる私に、目の前のその目は冷ややかなまま。
「押しに弱いお前のことだから、本当はヤったんじゃねーの?」
「は!?なに言って……」
「いつもなんだかんだ言いながら、俺にやらせてるくらいだしな。好きだなんて言われたら尚更だろ」
そしてその言葉とともに、そのまま床に押し倒される。
「航……?」
「……まぁ別に、お前がどこの誰とやろうが俺には関係ねーけど。どうせ、俺とお前はやるだけの他人だからな」
関係、ない
やるだけの、他人
わかってるよ、そんなこと。
わかってる、わかってた
だからこそ、瞳からは涙がこぼれだす。