イジワルな彼の甘い罠
「すみません、同じのおかわり。アルコール強めで」
カウンターへ向かい、グラスを見せながら声をかけると、バーテンダーの男性からは「はーい」と渋い声が返ってくる。
「ちょっと、そんな飲んで大丈夫なの?明日残っても知らないわよ」
「どうせ明日は有給だし、予定もないもーん」
「あら寂しい休日」
ほっといて!
すぐさま運ばれてくるおかわりに、私はフンッと鼻息荒くグラスへ口をつける。
「けどそのままじゃ、本当に関係切れちゃうんじゃない?それでいいの?」
本題に戻るハルミの言葉に、心はギク、と音を立てた。
「……そうだけどさ。でも、どうしたらいいかわからないんだもん」
「そんなの顔さえ合わせればなんとかなっちゃうわよ」