イジワルな彼の甘い罠
「澤村くん、久しぶりだね。前に皆でご飯食べて以来だから、もう1年半くらい前?」
「そうだな。仕事は相変わらずか?」
「うん。もう毎日パソコンと向き合ってて頭おかしくなりそう」
あははと笑う私に、澤村くんはふっと笑った。
昔からあまり表情豊かではないタイプだった彼が、そう笑みを見せることが少し意外で、ちょっと驚いてしまう。
「……なんか澤村くん、雰囲気変わった?柔らかくなったっていうか」
「あら、ラブパワーよねぇ」
「なっ!」
ニヤニヤと言うハルミのひと言に、それまで冷静だったその顔はボッ!と赤くなる。