イジワルな彼の甘い罠



「澤村くん、久しぶりだね。前に皆でご飯食べて以来だから、もう1年半くらい前?」

「そうだな。仕事は相変わらずか?」

「うん。もう毎日パソコンと向き合ってて頭おかしくなりそう」



あははと笑う私に、澤村くんはふっと笑った。

昔からあまり表情豊かではないタイプだった彼が、そう笑みを見せることが少し意外で、ちょっと驚いてしまう。



「……なんか澤村くん、雰囲気変わった?柔らかくなったっていうか」

「あら、ラブパワーよねぇ」

「なっ!」



ニヤニヤと言うハルミのひと言に、それまで冷静だったその顔はボッ!と赤くなる。


< 118 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop