イジワルな彼の甘い罠
その話と反応から察するに、どうやら澤村くんには彼女が出来たらしい。
そっか、恋かぁ……それは雰囲気も変わるよね。幸せそうで羨ましいというか、なんというか……。
「そっか、前に会った時に『猫と生きる』って言い出した時はどうしようかと思ったけど……よかったねぇ。猫ちゃん元気?」
「あぁ。この前も元気よく航の顔を引っ掻いていたな」
「……あのクソ猫、俺の顔見るとすぐ攻撃してくるんだよ。かわいくねー」
先ほどは一瞬笑ったり頬を染めたりとした顔をすぐいつも通りの仏頂面にして言った澤村くんに、航は不満そうに言う。