イジワルな彼の甘い罠
ふたりきりになった途端、そこに流れる沈黙。
……わざわざふたりにしてくれたハルミには申し訳ないけど、やっぱり気まずい。
「……や、やっぱいいよ。私ひとりで帰れるし……」
「あっ、おい」
逃げるようにひとりで歩きだす、けれどおぼつかない足元は不安定で、すぐその場にドタッと転んだ。
「っ〜……いた〜……」
「バカ。だから送るって言ってんのに」
そんな私に航は呆れたようにしゃがみ込んで、私の手についた汚れを払う。