イジワルな彼の甘い罠
髪をかきながら、無愛想に言う言葉。
そんな小さなひと言じゃ、足りない。
ちゃんと謝ってよ、誠意が感じられないよ。
でも、そう思う一方で、そもそも航からそんなひと言が出ること自体が、すごいことだとも思う。
少しは信じてくれたのかなって、そう期待してもいい?
「……ん、許す」
かわいげなく言った私に、航はもう一度キスをしすると、唇を離し立ち上がる。
そしてそのまま向かったのは、通りから一本入ったところにある近くのラブホテル。
「今日は自宅じゃなくていいの?」
「お前みたいな酔っ払い連れて家まで帰れるか」
「タクシー使えばいいじゃん……わっ、」
適当に選んだ部屋に入って早々、体はベッドへ押し倒される。