イジワルな彼の甘い罠



「……それに、家までの距離も待ち切れねぇ」



いつもより柔らかなベッドに沈む体。

その唇から、指から与えられる久しぶりの感覚は、余計に敏感に全身に伝う。



「……キスマークは、消えたんだろうな」

「へ?うん、もう消えたけど……」

「……そうか」



どうしてその時、航が笑ったのか

いつもよりその手が優しく感じられたのか

そもそもどうして航が怒って、どうして信じてくれたのか。



わからないことばかりだけれど

今は、ただその体を強く抱き締めていたい

その腕に、抱き締められていたい



この気持ちを、なんて呼ぶかなんて

もうとっくに気付いてる







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