イジワルな彼の甘い罠
….…航……?
タイミング的に信号待ちの間にメールを送ってきたのかな。
ていうか、どうしてここに?
どこに向かっているんだろう。そんな純粋な疑問から、向かう方向だけでも見てみようと思わず追いかけてみると、丁度車は走り出し右に曲がる。
あれ、ここって……。
見覚えのあるその一本入った道の先。確かそこにあるのは、先日航と入ったホテルだ。
まさか……、そんな気持ちで見れば、正面から見えるホテルの入口には、急ぎ足で車から降り中へ入って行く航の姿。
その隣には、金髪の美人な女の子を連れている。
……あの子、見たことある。
航のパソコンの中のデータで、何度か見た。写真に写っていた、下着姿のモデルの子だ。
若くて、かわいくて、魅力的な女の子。
「……、……」
その光景ひとつに、全身から一気に力が抜けるのを感じた