イジワルな彼の甘い罠



もしかしたら、言葉がないだけで気持ちはあるかもしれない。

もしかしたら、その目に映るのは私だけかもしれない。

もしかしたら、

いつか、

きっと、



……そんな期待も、するだけムダだったわけだ。



「あっちが本命……か」



小さくつぶやいた声は、街の音にかき消される。



私は、ただのセフレ。

ただの、体だけの関係。



『やるだけの他人だからな』



この前そう、はっきり言われたじゃんか。

自分でもわかっていたじゃんか。



それを思い知らされただけ。

言葉だけじゃなく実際に、見せつけられただけ。





そう、だよ







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