イジワルな彼の甘い罠



「……お見合い、OKしちゃった」



お見合い、なんて今までは全くする気がなかった。

けど今の自分の気持ちは、お見合いくらいしてもいいかなとか、相手が良さそうな人ならいいかなとか……揺らいでいることだけは確かだ。



……もしかしたら、お見合いから付き合って好きになるかもしれないし。

出会いのきっかけを逃す手はない、そう自分を納得させて。



「……はぁ、」



あれから、もう一週間が経つ。



あれ以来航とは会っていないのは勿論のこと、連絡も取っていない。

アドレスは変えたし、電話は知らない。向こうは私の職場も自宅も知らないから、私さえ会いに行かなければ行き会うこともないだろう。



今更ながら、本当に私の独りよがりだったことに気付いた。



< 142 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop