イジワルな彼の甘い罠
確かに彼氏もいないけど、奴はただの他人だけど……お見合いなんて、する気にはなれない。
早く結婚をしたいとか、親を安心させたいとか、そんなことを思うよりも、頭に思い浮かぶのはあの最低な男のことばかり。
『部屋に他人残して家出るの嫌いだから』
心に残る、小さな棘。
好きの言葉?誓うもの?そんなもの、ない。
ただ気まぐれに会うだけ。互いの消化しきれない欲を、溶かし合うだけ。
ただ、それだけ。
愛も好きの気持ちも
何ひとつとして、二人の間には