イジワルな彼の甘い罠
お、俺が金髪美女と付き合ってる?
なんでそんな話が……っつーか金髪美女なんて周りにいたか?いや、日頃つるんでるのなんてむさい男ばっかだ。
誰だ?なんだ?と頭をめぐらせる俺に、玲二は言葉を続ける。
「先約をキャンセルしてまでホテルへ行き、おまけにその彼女の写真もそれはそれは大事に持ち歩いているとか」
「なっ!?違ぇよ!金髪美女とホテルって……この前いきなりデータ飛んで急いで撮り直しした時のことだろうが!」
先日…〜早希と約束をしていた日、その前に撮っておいたデータがいきなり飛んでダメになったことがあった。
『翌日までにデータがほしい』と言うものだから、大急ぎで再度撮影をやり直すことになったわけだけれど、スタジオを予約しようにもいきなりすぎて取れず……。
仕方なく似たようなロケーションであるホテルの一室を使って撮影をした、ということがあった。
「あぁ、そのことだったか。今思い出した」
「おいこらメガネ!!絶対分かってて言っただろ!」
金髪美女、というのはモデルのことだろう。
きちんと玲二に許可もとったし、そもそもハルミも一緒にいた。当然やましいことなど一切ない。
にも関わらずあの玲二が笑顔で言うあたり、確実に分かっていてわざわざあんな言い方をしたのだろう。