イジワルな彼の甘い罠
2.近くて遠い
「それって……どうなの?」
ある日の夜。一緒にやってきたバーで、向かいに座る友人・ハルミが怪訝な顔で呟く。
「どうなの、って言われても……」
クルクルとパーマのかかった茶色い長い髪に、真っ黒なマスカラと青いアイシャドーでばっちりと塗られた化粧。
細い体と高い背に、外国人のように目鼻立ちはっきりとした顔の彼女は、細長い指でグラスを持った。
「そんなくだらない男に付き合ってるからあんたは今だに独身なのよ!いいの!?女としての幸せは!?」
「男のハルミに女としての幸せを言われるとは……」
「アタシは女!!」