イジワルな彼の甘い罠
「あー……そちらは?」
答えに困り、逃げるように質問を質問で返す。
「えっ僕?僕はかわいくて家事が得意で優しい人が好きかなぁ。出来れば若くて背も小さくて……あ、ちょっとムッチリした感じで」
「……私真逆ですけど」
「まぁ理想と現実は違うよねぇ。結婚するなら仕方ないって妥協もするよ」
妥協って……悪かったな、かわいい系でもなければ気が強そうな顔で!
背も同じくらいでムッチリしてなくて!
いちいち余計なひと言を付け足すその言葉に、またカチンとくるのを抑える。
「で?早希ちゃんは?」
「あー、えーと……」