イジワルな彼の甘い罠
部屋に入りショルダーバッグを床に置く私に、航はカメラをテーブルの上にそっと置いて前髪のピンを外す。
「まぁハルミが男だったら普通に付き合ってたかもしれないけど」
「……あっそ」
「優しいし面倒見はいいし、どっかの誰かとは大違……んっ!」
すると、言いかけた言葉を遮るように航から与えられるキス。
「……んっ……」
撫でるような指先で右手で頭を、左手で腰を抱くと、口の中では舌と舌を絡ませる。
その感触に力の抜けた体をベッドへ押し倒すと、二人の体にベッドが今日もギシ、といやな音を立てた。
「……少し黙っとけよ」
ぼそ、と低い声で呟き耳を甘噛みする唇に、全身の神経が集中するようにゾクリと反応する。