イジワルな彼の甘い罠
行為を終え裸でシーツにくるまる私の隣で、珍しく航は背中を向けて横になる。
……今日はカメラいじらないんだ。
あれだけ激しいことをしているんだから、疲れても当然。寧ろいつもはよくカメラいじる気力があると、感心さえしてしまう。
そんなことを考えながら、筋肉がほどよくついたその広い背中を見つめた。
「航、明日仕事は?」
小さく問いかける私の声だけが、冷え込んだこの部屋に響く。
「午後から」
「じゃあ今日は、泊まっていってもいい?」
「……好きにしろ」
そっけない言葉。けれど拒むことのないひと言に、私は小さく頷いた。
「……うん、じゃあ好きにする」