イジワルな彼の甘い罠
「ふぁぁ〜ぁ〜……」
そんな翌日、午後13時の仕事中。私はデスクで声をあげながら大きなあくびをした。
「唯川、なんだよそのアホヅラ」
「だってだるい……眠い、早く帰りたい……」
「寝不足かー?若くないんだから、夜更かしもほどほどにしとけよー」
先輩である男性社員からの『若くない』のひと言が、グサリと突き刺さる。
若い頃だったらそりゃあ、夜中に帰宅して次の日仕事でも平気だっただろうけど……年齢もあるし疲れやすいし、おまけにこんな生活が週に1、2回はある。
そりゃあ疲労感も溜まるしマヌケなあくびだって出る。
……ていうか、なんなのあの男は!
あの時間なら泊めてくれてもいいじゃん!『家に他人残して〜……』とか、わけわかんないこだわりで帰らされるこっちの身にもなってよ!
自分は終わったらそそくさと寝ちゃってさぁ!本当やるだけ男!!
「……はぁ、」
そしてそんな男相手に、相変わらずのやられるだけ女の私も、大概だけれど。