イジワルな彼の甘い罠
大したことをしたわけでもないけれど、八代くんは大げさに驚き、笑顔を見せる。その元気のよさがとても眩しい。
いい子……それに元気だなぁ。専門卒だから今20歳だっけ、若いなぁ。
20歳……ってことは私の10も下。無自覚に自分がそんな年齢まできていたことに、思わずぞっとした。
「唯川ー、お前に仕事回ってきてるぞー」
「え?」
すると先輩が普通の顔でドン、と机に置いたのは、それはそれは大量の書類……。
「……こ、これは」
「よその部署でデータがとんだとかで、これ明日までに大至急入力してほしいって」
「これ全部!?明日までに!?」