イジワルな彼の甘い罠
「あのぉ、カメラマンのお兄さーん」
「お名前何ていうんですか?いくつですか?ここの式場の人なんですかー?」
そう思い近付こうとしたその時、待ってましたと言わんばかりの勢いで、ドレスを着た若い女の子ふたりは航に駆け寄った。
新郎側の招待客けな。……そういえば新郎、菜摘より年下だって言っていたっけ。
私より5つほど若い彼女たちは相手探しの真っ最中なのか、キャッキャと甘い声を航に発する。
「連絡先交換とかしませんかー?」
やめとけやめとけ、そんなやるだけ男……付き合った所で彼女たちの理想とは真逆で冷めるであろうことは目に見えている。
そう思う半面、航がどんな反応をするのかはちょっと興味があるかもしれない。