イジワルな彼の甘い罠



そんな好奇心から見ていると、その顔は先程までのいきいきとした顔から、途端にいつも通りの冷めた目に変わる。



「キャーキャーうるせーな。なんで初対面の人間と連絡先交換しなきゃならねーんだよ」

「は!?」

「新郎新婦が可哀想だな。友達が祝いに来たのか男探しに来たのかわからない奴らばっかで」



その反応は当然、いつも通りのどストレートに加え、超無愛想。ズバッと言う航に女の子たちは「ムカつく!」と文句を言いながら引き下がって行った。


うわ、容赦ない……。まぁ、航らしいといえばらしいけど。



「……随分おモテになるようで」

「あぁ?……なんだ、お前か」



入れ替わるように近付いた私に、航は機材をまとめ続けながらチラ、とこっちを見る。

その言い方から察するに、どうやら私がいたことには気付いていたらしい。



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