イジワルな彼の甘い罠



体の向きを仰向けに変えて、その体と抱きしめ合う。



「もう……だめ、」

「……早希……」



キスをしながら達する感情に、薄く目を開け見れば映るその表情。



「っ…、」



ピク、と細められる目は、いつもの気怠げな顔が、全身で感じている証。



最低で、ダメな男。

そんな男にいちいち喜ばされて、求められたがって、その瞬間の表情に愛しさを感じずにはいられない。



そんな自分が、やっぱり一番堕ちていると思う。





< 73 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop