いとしいこどもたちに祝福を【前編】
京は眉を顰めて、晴海の手首をやんわりと捕らえた。
「だ、大丈夫です。暫く経てばいつの間にか消え…、…っ!」
京の指先が手首を軽く撫でた、ほんのひととき、痣のある箇所が熱くなった。
そして、掌が離された次の瞬間には痣は跡形もなく消え去っていた。
「!」
「うん、綺麗になったね。痛くないかい?」
「あ…」
驚きの余り上手く声が出せず、晴海はただ頷いて見せた。
「良かった」
それを見届けると、京は安堵の表情を浮かべながら手を放してくれた。
――今のは、先日天地が施してくれた治癒魔法と同じではないか。
風を操ったり、痣を治したり。
複数の魔法を使いこなす様子は、やはり出逢った当初の陸を彷彿とさせる。
「あの、京さんってまさか…」
「僕?」
問い掛けられた本人は、不思議そうに首を傾げた。
「僕は、霊媒師だよ」
霊媒師――やはり、そうだ。
「だ、大丈夫です。暫く経てばいつの間にか消え…、…っ!」
京の指先が手首を軽く撫でた、ほんのひととき、痣のある箇所が熱くなった。
そして、掌が離された次の瞬間には痣は跡形もなく消え去っていた。
「!」
「うん、綺麗になったね。痛くないかい?」
「あ…」
驚きの余り上手く声が出せず、晴海はただ頷いて見せた。
「良かった」
それを見届けると、京は安堵の表情を浮かべながら手を放してくれた。
――今のは、先日天地が施してくれた治癒魔法と同じではないか。
風を操ったり、痣を治したり。
複数の魔法を使いこなす様子は、やはり出逢った当初の陸を彷彿とさせる。
「あの、京さんってまさか…」
「僕?」
問い掛けられた本人は、不思議そうに首を傾げた。
「僕は、霊媒師だよ」
霊媒師――やはり、そうだ。