いとしいこどもたちに祝福を【前編】
そのもどかしさが痛い程解って、陸は目を伏せた。
「俺も…思い出したいのに思い出せないことがあるんだ」
が、そう口走った瞬間、しまったと思った。
ふと顔を上げると、やはり晴海は怪訝そうな表情でこちらを見つめている。
「…ごめん」
しかし、そう告げると晴海は何も言わずに俯いた。
仄が詮索しないと言っていたことを、彼女も守ってくれてるのか。
その気遣いに安堵する反面、申し訳なさで後ろめたくもあった。
「お互い…いつか、ちゃんと思い出せるといいな」
「……うん」
取り繕うようにそう告げると、晴海は浮かない表情のままで頷いた。
夢現(むげん)の暗闇と光輝 終.
「俺も…思い出したいのに思い出せないことがあるんだ」
が、そう口走った瞬間、しまったと思った。
ふと顔を上げると、やはり晴海は怪訝そうな表情でこちらを見つめている。
「…ごめん」
しかし、そう告げると晴海は何も言わずに俯いた。
仄が詮索しないと言っていたことを、彼女も守ってくれてるのか。
その気遣いに安堵する反面、申し訳なさで後ろめたくもあった。
「お互い…いつか、ちゃんと思い出せるといいな」
「……うん」
取り繕うようにそう告げると、晴海は浮かない表情のままで頷いた。
夢現(むげん)の暗闇と光輝 終.