いとしいこどもたちに祝福を【前編】
「その、血は…っ」
晴海の言葉には答えず、慶夜はふいと背を向けた。
慶夜が足を向けた先には、血塗れで倒れている賢夜と、彼の傍らで茫然と座り込む夕夏の姿があった。
「賢夜っ!!」
こちらの呼び掛けに、賢夜がほんの僅かに身動ぎをする。
「…は、るみ……?」
「しぶといな。まだ息があるのか」
慶夜は苛立ったように賢夜の首を掴むと、その身体を力任せに持ち上げた。
「が……はっ」
「っ止めて!!もうっ…それ以上やったら賢が死んじゃう!!」
追い縋るように立ち上がった夕夏に慶夜が空いている腕を向けようとした瞬間、賢夜がその手を弱々しく振り払った。
「姉さん…にっ…手を、だすな……」
「黙れ、この死に損ないが」
慶夜は不快げに顔を顰めると、賢夜の首を掴む掌に力を込めた。
「ぐ…っ、ぁあ……!!」
苦しげに息をつく賢夜の首筋から、どろりと血が溢れ出す。
慶夜の指先が喉元に食い込んで、溢れた鮮血がその腕を濡らした。
「やめて!やめて…っ!!慶っ…!慶夜!!あんた、本当に私たちが分からないのっ?!」
晴海の言葉には答えず、慶夜はふいと背を向けた。
慶夜が足を向けた先には、血塗れで倒れている賢夜と、彼の傍らで茫然と座り込む夕夏の姿があった。
「賢夜っ!!」
こちらの呼び掛けに、賢夜がほんの僅かに身動ぎをする。
「…は、るみ……?」
「しぶといな。まだ息があるのか」
慶夜は苛立ったように賢夜の首を掴むと、その身体を力任せに持ち上げた。
「が……はっ」
「っ止めて!!もうっ…それ以上やったら賢が死んじゃう!!」
追い縋るように立ち上がった夕夏に慶夜が空いている腕を向けようとした瞬間、賢夜がその手を弱々しく振り払った。
「姉さん…にっ…手を、だすな……」
「黙れ、この死に損ないが」
慶夜は不快げに顔を顰めると、賢夜の首を掴む掌に力を込めた。
「ぐ…っ、ぁあ……!!」
苦しげに息をつく賢夜の首筋から、どろりと血が溢れ出す。
慶夜の指先が喉元に食い込んで、溢れた鮮血がその腕を濡らした。
「やめて!やめて…っ!!慶っ…!慶夜!!あんた、本当に私たちが分からないのっ?!」