いとしいこどもたちに祝福を【前編】
慌てて駆け寄ろうとして立ち上がった瞬間、晴海は後頭部に鈍い痛みを感じて地面にへたり込んだ。
「いっ……!」
慶夜に弾き飛ばされた際に頭を打ったらしい。
先程までは痛みを感じている余裕すらなかったが、気が緩んだ瞬間遅れて痛みが襲ってきた。
それでも何とか陸の傍へ這い寄り、俯せに倒れた陸の上体を助け起こす。
「…はる…大丈夫、か」
意識が朦朧としているのか陸は虚ろな眼で、それでも心配そうにこちらを見つめていた。
左腕の傷からは血が止まらず、右腕も酷く焼け爛れている。
よく見えないが、両足にも同じくらい重篤な火傷を負っている筈だ。
「酷い、怪我……はやく止血、しなきゃ…」
晴海は覚束ない手付きで、陸の身体を抱き抱えようとした。
溢れ出る血が、二人の衣服と地面を紅く染めてゆく。
「陸が死んじゃう…」
頭では解っているのに、身体が思うように動いてくれない。
足に力が入らず、手はがたがたと震えている。
「…晴……」
陸のか細い声にもう一度名を呼ばれ、晴海はびくりと動作を止めた。
酷く取り乱した顔をしているであろう晴海をじっと見つめて、陸は申し訳なさそうに眉を顰めた。
「いっ……!」
慶夜に弾き飛ばされた際に頭を打ったらしい。
先程までは痛みを感じている余裕すらなかったが、気が緩んだ瞬間遅れて痛みが襲ってきた。
それでも何とか陸の傍へ這い寄り、俯せに倒れた陸の上体を助け起こす。
「…はる…大丈夫、か」
意識が朦朧としているのか陸は虚ろな眼で、それでも心配そうにこちらを見つめていた。
左腕の傷からは血が止まらず、右腕も酷く焼け爛れている。
よく見えないが、両足にも同じくらい重篤な火傷を負っている筈だ。
「酷い、怪我……はやく止血、しなきゃ…」
晴海は覚束ない手付きで、陸の身体を抱き抱えようとした。
溢れ出る血が、二人の衣服と地面を紅く染めてゆく。
「陸が死んじゃう…」
頭では解っているのに、身体が思うように動いてくれない。
足に力が入らず、手はがたがたと震えている。
「…晴……」
陸のか細い声にもう一度名を呼ばれ、晴海はびくりと動作を止めた。
酷く取り乱した顔をしているであろう晴海をじっと見つめて、陸は申し訳なさそうに眉を顰めた。