あたし。
「梨奈ちゃーんっ、
中野梨奈ちゃーんっ」
そう叫びながら私の元へ走って来るのは
私の友達の西原夏海。
腰まで伸びたクルクルな茶髪、
可愛いバンビ顔、
160程度のいい感じの身長、
世間一般にいう可愛い子。
私は、ふとショーウィンドウに映った自分を見る…。
肩につかないくらいの黒髪、
ぱっちり綺麗な二重の目、
150程度しかない身長、
自分ではあんまり可愛い方とは思わないけど、みんなが可愛いって言ってくれるから、多分、可愛いんだと思う…。
でも、この顔は、
理解しあえない私の両親が産んでしまった、、産まなきゃよかった子の顔…。
それすら笑いたくなるほど嫌で、
ふっ、と口角を上げる。
「りっちゃん、どうしたの?
はやく行こっ」
夏海が私を不思議そうに見ながら言う、
私はそれに笑顔で答えて
再び歩きだした。