君の幻



『…泣きすぎだろ』
「るさい…びっくりしただけよ」

そう言いつつ、冬吾のコートの裾をぎゅっと握る

『ツンデレなのはかわんね、いて、いてえっ!!』

裾とともに太ももの肉もぎゅっとつまむ

痛がる冬吾を見て安心する

ああ、やっぱり冬吾が死んだなんて嘘だ
私は悪い夢を見てただけなんだ…

「…馬鹿、心配させて…」

肩口に思い切り顔をうずめる

これ以上、泣いてる顔なんて見せたくなかった…


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