君の幻
『わかってんだろ?俺、死んじまったんだ。
あっちには神様ってほんとにいて、しかもけっこう怖えんだよ、地獄もほんとにあるらしいぜ、俺はいいことしかしなかったから天国行けたけどな!』
足元から冬吾の体が消えていく
それをわかっているのか、しゃべるスピードがどんどん早口になる
『なあアリス、もうこうやってお前と話すことできねえ、だけどずっとお前のこと見てるから、アリスが幸せになって…本気で悔しいけど、アリスが他の奴とまた笑えるようになるまで俺、ずっと見守ってるから、だからっ…』
笑ってくれ…
そう口が動いたと同時に、まるで雪が溶けるかのように冬吾は姿を消した。