君の幻


ぽたり、と空から雫が落ちた

雪ではない確かな水分のそれは、私の真ん前に落ちて地面を湿らせる


冬吾の涙だ

ああ、やっぱり泣いてるのね、あんた
さっき笑えって言ったの誰よ…


そっと地面にふれる


「…あたたかい」


冬吾、私の幸せはもう決まってるの
あんたに何言われても変わらない、私の幸せ、それは…


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