赤ずきんは狼と恋に落ちる
千景さんがお風呂から上がってきた時にはもう、逃げようがなかった。
ソファーに座っていた私の後ろから、ふわりとシャンプーの香り。
さっきよりも温かい体温に包まれて、私も熱くなってしまう。
首筋にキスを一つ落とされ、ピクンと跳ねらせた私を抱きしめて、
「りこはどこでしたい?俺はこのままここでやってもええんやけど」
なんて、意地悪く言う。
「わ……私の、部屋でお願いします……!」
そう言うが早いか、軽々と抱き抱えられて、そのまま私の部屋へ連れて行かれた。