赤ずきんは狼と恋に落ちる
……いくら何でも、遅すぎる。
時計を見てみれば、既に10時を回っていて、外はもう真っ暗。
あまり遠い所には行ってないはず。
コートと鍵を手に取り、電話をかけてみると、プルルル、と小さな着信音が、二重になってちほの部屋から聴こえてきた。
持って行かなかったんだ……。
「探しに行かなきゃ……!」
コートを無造作に引っ掛け、急いでドアを開け、鍵を閉める。
どこに行ったんだろう、ちほ……。