甘い時間は生徒会室で。


「きっと、結愛が喜んでくれると思って、絶対ここから見せたかったんだ。」


そうだったんだ。


私のために…………………


夏祭りも、りんごあめも、この綺麗な花火も……………………


「ありがとうございます、会長。」


嬉しくなって、私は会長の膝から飛び降りて、向かい合って、満面の笑みでお礼を言った。


この感謝の気持ちが、精一杯伝わるように。


「ばか、結愛を喜ばせるなんて、当たり前だろ?」


「ふぁっ。」


そう言って、私は優しく暖かい会長の腕に包まれる。


やっぱり、会長の腕の中は落ち着く。


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