僕の彼女はちょっと狂ってる
僕が抱いていた純白な吉井さん像は、見事に音を立てて崩れた。
そして僕は早々に現実に見切りをつけた。
純粋かつちょっと天然で素直な女の子など、この世に存在しない。
いたとしてもそれは故意的に性格をねじ曲げているだけであって。
この世に存在しているのは、養殖天然女子と清純ビッチだけだ。
ふと視線を感じて顔を上げると、廊下側の席に座っていた吉井さんと目があった…気がした。
更には、こちらに向かって手を振ってきたではないか。
僕はとりあえず気付かない振りをした。いやいやだって、ねぇ。
僕みたいなキノコ男子に吉井さんが手を振るわけないない。
ちょっと勘違いしてしまったことを恥ずかしく思い頬杖をついた。
分厚い眼鏡の向こうでは、クラスメート達が騒いでいる。
うるさいなと感じたが、まぁそれも僕には関係ない話だ。