僕の彼女はちょっと狂ってる



 僕が抱いていた純白な吉井さん像は、見事に音を立てて崩れた。

 そして僕は早々に現実に見切りをつけた。



 純粋かつちょっと天然で素直な女の子など、この世に存在しない。

 いたとしてもそれは故意的に性格をねじ曲げているだけであって。



 この世に存在しているのは、養殖天然女子と清純ビッチだけだ。





 ふと視線を感じて顔を上げると、廊下側の席に座っていた吉井さんと目があった…気がした。


 更には、こちらに向かって手を振ってきたではないか。

 僕はとりあえず気付かない振りをした。いやいやだって、ねぇ。


 僕みたいなキノコ男子に吉井さんが手を振るわけないない。
 ちょっと勘違いしてしまったことを恥ずかしく思い頬杖をついた。

 分厚い眼鏡の向こうでは、クラスメート達が騒いでいる。


 うるさいなと感じたが、まぁそれも僕には関係ない話だ。



< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop