だんご虫ヒーロー。
「…悔しいけど、美味しいです」
悔しいけどって何だよ。
先輩はそう言いながら私の頭にポンと手を置いた。
チャラい味がする、とでも言っておけばよかったかな。
でも先輩が作ったという焼きそばは本当に美味しくて。
私みたいに捻くれた性格じゃなきゃ、笑顔で美味しいって言えるレベルの美味しさ。
でもあえて言わない。
なんかムカつくから。
「あ、もうそろそろ戻らないと。じゃあ李、お会計係頑張ってね?」
ニコッと笑ってまた私の頭を撫でるチャラ男先輩。
一つ一つの行動がチャラい。