だんご虫ヒーロー。
黒猫の親子は私を見つけると、甘い鳴き声を出しながら寄ってきた。
その姿に私の顔は自然と綻ぶ。
コンクリートの階段に座り、持ってきたパンの耳を小さくちぎった。
「はい、どうぞ」
それをコンクリートの上に置いてあげる。
親猫は子猫に先に食べさせてる。
子猫は匂いを嗅ぎながら一つ一つゆっくりと食べている。
見ているだけで微笑ましい光景。
私の1日の疲れはほとんどこれで吹っ飛んでしまう。
微笑みながら親猫の頭を撫でる。
すると親猫は私の脚に擦り寄ってきて、ニャーと鳴いた。
可愛いなと私が笑った時だった。